写真はきれいな菊盛りのトラフグ刺身。はてさて、あるところで「ふく刺しに箸を入れるのは皿の外側からか、それとも内側から?」という談義になった。
居合わせた本場の老舗仲卸の社長は「外側から」ときっぱり。先代から聞き伝わるというその理由を「ふく刺しの場合、菜箸を使わず、それぞれが自分の箸で刺身を取るので、外側からの方が気兼ねするのも少なくてすむ」と。
さらに続けて「最後の花びらの中心が料理人にとって技術的に一番難しいところなので、最後まで視覚的に楽しめるし、作り手の思いも感じてほしい。そして、最後の最後、中心のところに箸を入れる人物が、その会席のまさに花形という意味合いもある」と話す。
早速、気になって戦前のことを綴った下関ふぐの本を見聞すると、「ふく刺しは外側から」とある。その理由に「内側から取ると、刺身がなくなるのが早い感じする」と。
内か外か?実はこの話し、前々からあるのだが、ここは本場下関-。大皿に美しく盛られたふぐ刺しは、作り手への感謝と食べ手に気兼ねのない<人にやさしい>観点から「外側から」と決着させていただきたい。「ふく刺し」は大胆かつ謙虚に、だ。事務局。(薫)
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